当クリニックのむし歯治療について
健康な歯を守り、できるだけ痛みを感じず、快適な治療を受けていただくことを大事にしています。
むし歯を削る際は、必要最小限の切削で可能な限り健康な歯を残し、予防治療にも力を入れています。痛みの少ない麻酔をしておりますので、痛みに敏感な方もご安心ください。
むし歯ができるまで
歯表面は、ミネラルが浸透したり、奪われたりを繰り返しています。ミネラルが奪われることを脱灰、ミネラルが浸透することを再石灰化といいます。脱灰は主にミュータンス菌がつくる酸によって起こり、再石灰化は主に唾液によって起こります。
脱灰と再石灰化のバランスが崩れ、脱灰のほうが多い状態が続くとむし歯になります。主な原因は、だらだらとした食事や間食などです。
軽度のむし歯であれば、再石灰化をするように環境を改善していくことで、削らずに治すこともできます。
再石灰化について
唾液は脱灰の原因となる酸を中和し、歯にミネラルを補給します。この働きが歯を守るために非常に重要です。唾液の量や性質によって、再石灰化が十分に起こるかどうかが左右されます。
むし歯の進行状況
C0【初期のむし歯】
エナメル質の表面が酸によって冒され、白く濁って見えます。この段階では痛んだり、しみたりといった自覚症状はありません。丁寧な歯みがきやフッ素塗布など、歯の再石灰化作用を促すことによって、自然治癒を目指せることもあります。
C1【エナメル質のむし歯】
歯の表面のエナメル質内までむし歯が進行した状態です。痛みはほとんど感じませんが、まれに冷たい物がしみることはあります。むし歯の部分を小さく削り取り、詰め物をして修復します。
C2【象牙質のむし歯】
エナメル質の奥にある象牙質までむし歯が達した状態です。象牙質は神経につながっているため、痛んだり、しみたりする自覚症状が増えてきます。むし歯の部分を削り取ってから、詰め物や被せ物で補修します。
C3【神経のむし歯】
象牙質の奥深いところまでむし歯が進行し、神経まで達した状態です。何もしなくてもズキズキ痛むようになります。ここまでくると、歯の根の治療（根管治療）が必要になります。
C4：【歯根のむし歯】
末期状態で、歯根だけが残った状態です。このままむし歯を放置しておくと、根の先から歯根膜に炎症が起こり、硬い物を噛むと痛みを感じるようになります。ほとんどの場合、抜歯しか手立てがありません。
抜歯後は歯の機能を補うため、入れ歯やブリッジ、インプラントを検討します。
プラーク除去について
歯表面のプラーク（歯垢）の中にはたくさんのミュータンス菌がおり、プラークを除去することで脱灰を引き起こす酸の量を減らすことができます。
普段から効果的な歯みがきをする
プラークを除去するためにも、普段の歯みがきをしっかりと行いましょう。自己流の方法では、いつも同じところをみがき残しがちです。歯科医院で指導を受け、効果的な歯みがきや歯間ブラシの使い方などを身に付けることが大切です。
定期的なクリーニング（PMTC）を受ける
プラークが長時間蓄積されてバイオフィルムになり、歯にこびりついてしまうと、通常の歯みがきだけでは除去できません。歯科医院で定期的にPMTC（クリーニング）を受けましょう。プラークの除去は、歯周病を予防するためにも重要です。